2020/10/24

18周年









 

本日10月24日をもちまして、ANTIQUE belleは開店18周年を迎える事が出来ました!

皆様いつもご愛顧いただき誠にありがとうございます!


これからも、スタッフ一同、皆様のご来店を心よりお待ちいたしております。
今後ともANTIQUE belleをどうぞよろしくお願いいたします!





2020/10/13

騎牛帰家

 

 

 

 

 

 

 

 

 

牛に乗った人の香炉。

 



 

 

 

 

 

 

「十牛図」の中の一過程を表しています。

 

中国の禅宗では「真の自己」を牛になぞらえて、禅の修行と悟りの境地を「逃げ出した牛を連れ戻し飼い慣らす修行の過程」に例え、10段階に分けてその過程を分かり易く描いて説明します。それが「十牛図」と呼ばれるものなんだそうです。


【1】尋牛(じんぎゅう)

・・・牛を探す旅に出る

 

【2】見跡(けんじゃく)

・・・牛の足跡(手がかり)を見つける 

 

【3】見牛(けんぎゅう)

・・・自分の中の心牛を見ることが可能になる(真の自己に気づいた体験)

 

【4】得牛(とくぎゅう)

・・・真の自己である牛をしっかり掴まえ、牛の正体が明瞭になる

 

【5】牧牛(ぼくご)

・・・牛の持つ野生や凡情などを修行を通して飼い慣らし自分のものにしていく

 

【6】騎牛帰家(きぎゅうきか)

・・・牛にのって笛で童歌を奏でながら家に帰る。牧牛の努力の結果、牛が漸く自分の云うことを聞くようになった段階。

 

【7】忘牛存人(ぼうぎゅうそんにん)

・・・本来の自己である牛を忘れる段階

 

【8】人牛倶忘(にんぎゅうぐぼう)

・・・悟った自己を忘れ、悟りも忘れ、全てを忘れてしまった境地

 

【9】返本還源(へんぽんげんげん)

・・・主客一体の境地

 

【10】入てん垂手(にってんすいしゅ)

・・・頭の中が掃除されて、観念も何もかもが無くなった境地

 

というのが十牛図の大まかな内容なのですが、

こちらの香炉は、おそらく6段階目の「騎牛帰家(きぎゅうきか)」の様子ですね。

 

なんだか、調べ出すと物凄い情報量の話だったのですが、

この話を店頭でお客様に説明するかどうかをためらっております・・・。 

こんなに長々と話して、何か変な感じの空気になったらどうしよう、という一抹の不安。

 

童子をどかすと牛の背中に香を入れるための穴が 。

童子の背中にも穴がありますので、そこから香りが立ちこめるのかな。


 

 

 

 

 

 

 

 

最後に、いかにも帰ってる風のショットでお別れです。



2020/10/01

ミヤタの汲み出し

 

美しい青色「フカガワ ブルー」で知られる深川製磁製の汲み出しです。

 


深川製磁は創業120年余にもなる有田焼のブランドで、ロゴマークはこの富士山に流水です。

 

 そしてそして、汲み出しの中央に浮かぶ「M」。


こちらはミヤタサイクルという自転車メーカーのロゴマークです。自転車のギアにMが収まっているので「ギアM」マークと呼ばれています。

日本で自転車の輸入が始まったのが明治18年頃だそうですが、ミヤタは明治23年に日本初の安全型自転車(ほぼ現代の形に近い自転車)をつくりました。

ミヤタはもともと製銃所だったそうですが、この安全型自転車作りを機に自転車製造会社となります。

 


 

汲み出し自体は昭和の初期頃のもの。ミヤタが深川製磁にノベルティの製造をオーダーしたものかと思われます。

 


 

ちなみに、深川製磁は宮内庁御用達。ミヤタサイクルは、上記にあった安全型自転車を当時の皇太子殿下に上納したそうです。

深川製磁の窯元が設立されたのは明治27年、安全型自転車が作られたのは明治23年。

何かが近いような…妙なご縁を勝手に感じて心ときめいています。

 

長くなってしまいました。

汲み出し、在庫ございます。